「涙・・・、時耶・・・」


まだ現実を把握出来ないでいる僕。

"あれ"はもしかしたら夢だったのかもしれない。

そう思うときもあった。

でも、自分が涙に送った『時耶が好きなの?』という送信済みメールを見て現実に引き戻される。


─ヴーッヴーッ─


携帯独特のバイブ音が聞こえた。

携帯を見てみると"メール受信"の文字。

僕は涙なんじゃないかと淡い期待をして携帯のロックを解除する。


だが、メールの相手は憲太だった。

憲太には悪いが涙じゃなかったことが相当ショックだった。


《From:憲太
Sub:無題

あんま気にするなよ。
たぶん時耶にも涙ちゃんにも、なんか訳あんだよ。
まあ相談なら俺いつでも受けるから。》


励ましのようなメールだった。

訳がある?

ならなんでアイツらは何も僕に言ってこないんだ。

僕はそのメールに返信はしなかった。