するとまた部屋のドアが開いた。

今度は母さんじゃなかった。


「ソラ」


そう僕の名前を呼ぶのは今まさに話をしていたアスだ。

白に近い金髪の隙間からこっちを見ている。

どうやら涙がいることに少し驚いたようだ。


「・・・女だったんだ」
「あ、そういや母さんが晩飯作ったから食べに来いだって」
「友達もって言ってたよ」


物静かに喋るアス。

アスは涙に勝るほどマイペースだ。

自分のペースで物事を喋り、自分のペースで行動する。

そんなヤツだ。


「母さんさっき帰ってきたばっかじゃない?」

「惣菜買ってきたって」

「そっか」


そしてアスは自分の部屋の方に帰っていった。