「そんなことより空希、誰かウチに来てるの?」

「あぁ、うん、まあ」

「さっき玄関に女の子の靴が・・・パンプスだったかしら?」

「か、彼女・・・」


僕はもうここまで来たなら言おう、と決心してそう言った。

今まで逸らしていた目を母さんに向けると口をポカンと開けている。


「え、空希・・・彼女できたの!?」
「やだぁ~、それ先に言いなさいよっ」


母さんは凄く嬉しそうに話していた。


「どんな子なの?」
「部屋にいるんでしょ?」

「ちょ、母さん勝手に入らないでよ・・・っ」


そう言った時にはもうすでに遅かった。

階段のすぐそばにある僕の部屋のドアは母さんの手によって開けられていた。