僕は受け取った指輪を涙の左手薬指にはめた。

おもちゃの指輪は夕日を照り返し、キラリとまた光った。


「えへへ、可愛いー?」


涙は指輪をはめた左手を翳しながら笑った。


「うん、可愛いよ」

「ありがとっ」

「涙だいすき」

「私も空希だいすきっ」


指輪のついている涙の左手と、僕の右手とで手を繋いだ。


「そろそろ獅子舞始まるし、いこっか」

「うん!」


そして僕らはまた歩き出した。