露になった文字を僕は目を潜めて読んだ。


『空希くんへ

私は、空希くんが好きです。

涙より』



・・・・・。

・・・え?


僕はその言葉の意味が瞬時に把握出来なかった。

頭をフル回転させてやっと分かった。

その文章の意味が。


「え、涙・・・?」


僕の体が無意識に動いた。

涙が僕に伝えたかった意味が分かった途端。


ドアに手を当て、廊下を見渡そうとしたとき、僕の眼中の端に人影が映った。

僕はそれが誰かを確かめるためにもう一度その人影に目をやる。

それは、涙の姿だった。

ドアに凭れ掛かり、顔を真っ赤にしている。


「る・・・い・・・」