教室に戻ると亮輔は窓際で女と話していた。

たぶん1個上の先輩だったような、と曖昧に思い出しながら僕は自分の席につく。


「空希、飯くおーぜ」


隣に来たのは時耶だった。


「まあいいけど、お前も亮輔みたいに僕以外と飯食うやついねーのかよ」


冗談半分で時耶をからかう。


「うるせ、お前もだろ」
「俺は亮輔みたいに軽くねーの!」


すると、


「おい!お前ら今の会話、全部聞こえてっぞ!!」


後ろの方で聞きなれた声がそう叫んだ。

そしてズカズカと僕らの元へ歩み寄る。


「おー、亮輔」


時耶は馬鹿にしたような笑みを浮かべ歩み寄ってきた亮輔にそう言った。


「お前も一緒に食うのか?」


ギャーギャー騒ぐ亮輔を面倒臭そうにあしらう時耶がそう聞いた。


「おう、食う食う」

「あの人は?どーすんの?」


時耶は弁当箱と一緒に入っていた箸でさっき亮輔と一緒にいた女を指した。


「あー、ごめんねキョウカ先輩、俺こいつらと飯食うから~」


するとキョウカという女は少し怒り気味で教室を出て行った。