そうこうしていると授業始まりのチャイムが鳴った。


「空希くーん、頑張ってねー!」


その返事に僕は無言で手をパっと振ってみんながあつまるグランドの中心に集合した。

秋になるとこれから体育祭が始まる。

今日はその種目の練習。

でも自己練なので殆どの人はまだ残る暑さにだれてサボっている。


「空希ー、お前なに出んだっけ?」


声をかけてきたのは時耶だ。


「リレー」

「あー、そーだっけ?」
「ダルイな」

「おー」


僕らも暑さのせいで何もやる気が起きず、会話までたるむ。


「あれ?亮輔は?」


僕が辺りを見回しながら時耶に問いかけた。


「あぁ、なんか女と会うとか体育ダルイとかでサボってる」

「またか」

「まあ亮輔だし、しょーがねーんじゃね?」

「ははっ」


そして僕らも結局、今日はほぼ何もしないまま授業を終えた。