「あれ?財布どこへやったっけ?」


鞄をいくら探そうが出てこない。

心当たりのある場所を探し回る。

引き出しかな?

そう思い、机の引き出しを引いた。

すると財布が出て来た。

でも、それと同時に1通の手紙も出て来た。


「・・・あ」


手紙は涙からのものだ。

封はまだ切っていない。

あれからまだ読めていないのだ。

だけど、僕は決めていた。

卒業からひと段落したらこの手紙を読もう、と。

そして僕は手紙の封をそっと切り剥がしていく。

封筒の中から一枚の手紙が出て来た。

その手紙を僕はそっと封筒から抜き取り、二つ折りにされた手紙を開いた。