「僕は、弱い」


僕は自分の拳を強く握り締めた。

時耶たちも真剣な表情をしている。


「だから逃げ出すこともあったし、てゆか事実上、涙のことから目を背けてしまった。本当に後悔してるよ。」
「でも、それでも今までやってこれたのはお前らがいたからだと思う」
「本当に本当に感謝してる」


そこまで言うと3人はクスっと笑った。

柔らかい表情をしていた。


「おう、俺らもそー思ってるよ」

「時耶・・・」

「俺らだって空希がいないと楽しくないしなっ」


そう言って3人は目を合わせて笑い会っていた。


「ありがとな」


僕もそう言って微笑んだ。

今日は、最高の卒業式。

本当はいるはずだった涙はいない。

だけど、振り返ると涙がいるような気がした。

それは、春風が起こした錯覚。