*RewindinG*

その間にも僕は涙の手を握り締めたままだった。

涙はぴくりとも動かない。

まるでマネキンのように思える。

青白くなったその顔はいかにも不健康そうだ。

最後に見たときの涙よりも顔は痩せ細っていた。


「涙･･･」


掠れて声にならない声で名前を呼んだ。

返事はない。

何度も握り締めた涙の手を摩った。


「──────･･･ッ」


今まで押し殺してきた感情の何かがどっと押し寄せてくる。

すると涙になって僕の頬を伝った。

大粒の涙が涙の手に幾度も落ちていった。




「涙･･･ッ涙･･･ッ、涙･･･ッ!」



「戻ってきてくれ･･･、涙──────･･･ッ!!」




何度もそう叫んだ。

でも涙が目を開ける事は無かった。