言葉を上手く飲み込むことが出来ない。

胸がやけにざわつくだけだ。

僕は涙の手を握った。

すると、僕の手が感じたのはひんやりとした冷たさだ。

その冷たさは不気味とさえ思えた。

さっき触ったあの鉄の冷たさとはまた違う。

不吉な冷たさ。


「あの、どういう意味ですか?」


そう聞き返したのは時耶だ。


「椎葉さんの体は、手術に耐えられず心肺停止となってしまいました」

「「「「・・・・・」」」」

「・・・ッ、てめぇ!」


ガタンっと大きな物音を立てて突っかかっていったのは亮輔だ。

亮輔は医者の胸倉を掴み、殴りかかろうとした。

だが、それは時耶や憲太によって阻止される。


「落ち着けっ、亮輔!!」

「・・・ッ」


時耶の言葉に亮輔は素直に従った。