すると中から数人の人影が見えた。

その中から移動用のベッドが押されて出て来た。

そのベッドに寝ているのはもちろん、涙だ。


「涙・・・!!」


僕らは駆け寄る。

だが涙は目を閉じたまま動かない。

まだ麻酔で眠っているのだろうか。


「先生、手術は成功したんですよね!?」


亮輔が確信を求めようと手術の責任者らしき人に尋ねた。

僕はその二人の会話も耳に入れつつ、久しぶりに見た涙の顔に何かが込み上げてくるのを感じていた。

だが、次の瞬間思いもよらない言葉が僕の耳に飛び込んできた。