バタバタと慌しい足音が病院内に響き渡る。

看護婦さんたちに注意もされたが僕はそんな言葉は耳に入れずただ走り続けた。


「ここだ、この曲がり角の先に涙ちゃんの手術室がある」


亮輔はそう言って僕の背中を押した。


「早く行けよ!」


その言葉で僕は一度止まった足をもう一度動かした。

すると、前から誰かが歩み寄ってきた。


「・・・!」


時耶だ。