「とっても勇気があるんだね。」
アホなだけでしょ....。
と言いたかったけれども、否定しきれなかった。
「私も、勇気出した方がいいのかもな...........。」
「どうしたの？」
「ねえ、美子ちゃん。私A高志望するのやめるかも。」
「え？どうしたのさくらまで！！藤堂のせい？」
「ううん、もしも私がA高やめたとしたら藤堂君のお陰、かな。」
「どいつもこいつも全く........。」
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「俺の勝手だろ口出しすんな。」
「そんな言葉遣いしてると嫌われちゃうよ～“あの子”に！」
「うるせーな。」
可愛い顔しておいて口が悪い。
「そこはちゃんと変わらなきゃね。」
問題集を解いていた藤堂が丸付けを始めた。
「わー、やっぱりあんた字上手いわね。」
「どうも。」
まさか、こいつと“あの子”がA高で出会い、付き合ってしまうなんて思いもしなかった。
『そこはちゃんと変わらなきゃね。』
本当に彼が変わって、
『良く聞くよ？優と付き合ってからの藤堂は変わったって。』
私にこう言わせるようになるのは、もっと先のこと。
