「へ~、で。
矢吹さんさ、どうなんだよ。」


体を乗り出して興味津々に聞くクラスメイト高橋。もう一人、高橋の隣にいるのは鈴木。この二人とは二年になってからよくつるむようになっていた。


「別に。」


でも、学校は学校で、プライベートのことなんて話す事はなく、お互い詮索などもしなかった。


「何はぐらかしてるんだよ。」


だったはず。
しかし、今はこうして俺と優のことをどうしても聞きたがる。


「言えよ~。」


こいつらに一々話すのは面倒だし、俺の事、優の事も話すことは出来ればしたくなかった。

けれど、こいつらからこの話題を逸らすことの方が面倒だと思った。


だから、こう言ってすぐ終わらせようとした。



「面倒、それだけ。」