「離れろっつってんだよ。」
陽がさらに私たちに近づく。
私は今野君を押し返すけれど、強い力で引き寄せられるという、さっきと何も変わらない状況。
何やってるの今野君。
「先輩が言う資格なんて、無いんじゃないですか。」
至って冷静に、今野君は陽に言い放った。
「優ちゃんを傷つけたのは誰ですか。
優ちゃんが泣いている理由は何ですか。
そんなの、本人が誰だとか何だと言わなくたって顔見れば分かりますよ。」
今野君が私に何も泣いている理由を聞かなかったのは、陽関係だって分かっていたんだ。
「先輩は、優ちゃんの気持ちを分かってあげられていますか。
.........そんな先輩に、そんなこと言う資格は、」
と今野君が言った時。
陽は何も表情を変えずにこう言った。
「そいつは俺の女だ。」
「は?」
思わず、声を出してしまった。


