「陽っ...............。」
私はすぐに離れようとしたのに、今野君はさらに私を引き寄せた。
一体何がしたいのか。
「ちょ、今野君っ。」
「離れろ。」
先程、私と今野君との間に流れていた、ほのぼのとした空気。
それは一変して、私たち三人だけの緊張の世界がいつの間にか作られていた。
迂闊に動いてはいけない、
迂闊に喋ってはいけない。そのような。
しかし、どんどん陽は私たちに近づく。
今の陽の顔にはいつもの可愛さなどありはしない。
それどころか、今まで見てきた陽の中で、一番恐ろしい顔をしていた。
だからと言って、明らかに怒っていると分かるような、鬼のような形相をしているのではない。
冷たい、無表情。


