それから、私たちは黙り込んだ。
沈黙の空気が流れる。
それは、何か話す言葉が無くなったからとか、気まずい雰囲気になったからとかじゃなくて、わざと。
今野君が私に気を遣ってわざと、何も言わなかったんだと思う。
だから、私も何も喋らなかった。
私は誰かにこうして欲しかったのかもしれない。誰かに、大丈夫だよって、優しくされたかったのかもしれない。
いつもなら、男の子にこんなことされたらすぐに叩いて逃げるだろうけど、今回ばかりは違った。
支えが欲しかった。
何だか、一人でいた時よりも、安心感がある。
ちなみに言うと、それは今野君だから、という訳ではないと思う。
今野君が好きだから、とかでは無くて。
いつもだったら、この役目は美子がしていてくれたから。
もっと言えば、西がやってくれたって良かったって訳だ。
誰でも良かった。
でも、たまたま今回は今野君だったってだけ。


