童顔彼氏




自分の気持ちが落ち着くまで泣いた。
いや、落ち着く事は無いんだけれど、悲しいはずなのに、涙がとうとう出なくなってきた。

不思議だ。こんなに悲しいのに。
どうせだったらずっと泣いていたい気持ちなのに。

それから少し経った頃。


「優ちゃん................??」


後ろから声がした。
驚いた私は、肩をビクつかせた。

この声の持ち主は誰だか分かっていたのに。


「今野君?」

「泣いてるの?」

「あ、これは、違っ。」


涙で頬が濡れてることに気づいて、自分のシャツの袖で拭こうとした。
その瞬間、今野君は私を包み込んだ。


「え、今野君?」

「今、部活休憩中だから大丈夫。」

「そうじゃなくって。」


確かに今野君はユニフォームを着てた。
そういえばここからハンドボールコートはかなり近い。


「何?汗臭い?俺、男の割には汗臭くないって自信あったんだけどなー。」

「いや、臭いとかそういうのじゃなくて、この状況が...........。」

押し返そうとするけれど、その分強引に私を強く抱きしめる。

「泣いてるから抱きしめてるの。」