「まな、居たから。今廊下を通ってたよ。」
「まな板?」
と、少し本気な顔をした今野君。
「あんたは黙ってればいいの。」
私は、先程と態度が変わらないように、プリントから目を離さず、ペンを動かす事を止めなかった。
「最近、藤堂君と一緒にいるまなを見かけないよね。」
「そうかな?」
「うん、前はよく一緒に居たのに.......。」
「もう、止めよう。その話。
私もう陽とは関係ないし。」
何も連絡は来ない。
これが、私たちの結末だった。
そろそろ前を向かなきゃ。
もうすぐ夏だし、高2なんだから勉強ちゃんとやらなきゃいけないし。
勉強に専念して、陽なんてすぐに忘れて勉強で頭がいっぱいになればいい。


