「1年の間でも有名だよ。藤堂先輩がね。
そして優ちゃんは藤堂先輩の彼女として。」
そういうこと?
確かに陽は人気がある。
と、やっぱり彼女とか調べるんだろうね。
そしたら私に辿り着いたと。
「優ちゃんの顔は知らなかったけど、名前だけは知ってた。
ちなみに、美子ちゃんの口から優ちゃんの話は出た事が無かったから、優ちゃんに初めて会った日は偶然だよ。
だから、優ちゃんが自分の名前を教えてくれたときに、どこかで聞いたことがある名前だなって思った。」
「私、名前覚えられるほど名前が知れ渡ってんの?」
陽の力すごすぎる。
「あのいつも無愛想な顔に、冷静で女とか興味なさそうな藤堂先輩に彼女がいるなんて皆興味持つからね。」
と言って苦笑いをした。
「優ちゃんは、藤堂先輩みたいな、可愛い感じの人が好きなの?」
「可愛い感じ?」
「そう、童顔めな。」
それ陽に言ったらぶっ飛ばされるよあんた。
「そういうわけじゃないよ。」
好きになった陽がたまたま童顔だっただけだし。
「じゃあ良かった。俺って顔はかっこいい感じじゃん?
タイミングも良いし、これってチャンスだよね。」
は、だから何だコイツ。
自分でかっこいいとか言うな。
かっこいいけど。
もう今ので評価がダダ下がりだわ。
「優ちゃん狙っちゃおうかな。」
「は?誰にでも言ってんでしょ。
別に狙わなくても結構です。」
と言えば、優ちゃん面白いと言って笑ってきた。