それから、部活は6時頃に終了した。
着替え終わった今野君が手を振って私のいる場所へ向かってきた。


隣には既にマネージャーさんもいる。


「優ちゃん、帰ろう!」


マネージャーの女の子たちに睨まれる私。
怖すぎる。
それを察したのか、「もう俺帰るから、お疲れ様。」と女の子たちに言って振り切った。


「今日はありがとう。」

「かっこよかったよ。シュート決まってたしね。」

「何、俺に惚れちゃった?」

「バカじゃないの。そんなわけ無いじゃん。」

と言うと、今野君は「ツンツンしてるー。」と言って笑った。

デレるのは陽の前だけだよ。
と思ったところで、陽の話を突っ込まれた。

「そういえば、その喧嘩中の彼氏ってどんな人なの?」

「んー、いつも余裕な人。」

「例えば?」

「私ばっかりドキドキしてる、とかね。
私の心の中が丸見えだというように余裕。」

今野君に話すような内容だったのかよく分からなかったけど、今野君は聞き上手なのか、自分が思うよりも話してしまう。