それから、今野君は4駅前で降りた。
「従兄弟なのに、家が微妙な距離感だね。」
「確かに遠いわけでも、だからってすごい近いってわけでもないね。」
そこで美子が何かを思い出したように声を漏らした。
「そういえば、さっきのわざとだからね。」
「へ?」
「この私が策無しに内部事情を話すわけないじゃない。輝は使えると思ったから話したのよ、あんたと藤堂のこと。
輝をうまく利用してやるのよ。」
「何言ってんの?
しかも利用って.......。」
「大丈夫、どんな女の子にもあんな感じだから、元から遊びだしこっちも軽く行ったって全然平気なの。
藤堂に嫉妬させてやりなさい。グズグズすんなってね!
それに、あいつといると嫌なこと忘れちゃうでしょ?ほんとスカッとするから、藤堂のことで悩んで思い詰めてないであいつと話して笑って、殴って気を晴らしなよ?」
「え、あ、美子っ。」
「じゃあねー。」
気が付けば美子の家の最寄り駅に着いていて、降りていってしまった。
本当に、美子と今野君は強引だ。
さすが、従兄弟。


