「竜くーん!」 「けいこっ!! とてもいい演奏だったよ」 「ありが…と…う…」 わたしは泣き出してしまった。 ダメ金だった悔しさ、 最後の夏が終わった悲しさ、 たくさんの思いが涙と 一緒に溢れ出す。 竜くんに会った途端 なにかがきれたように 大粒の涙が溢れ出てきた。 竜くんはなにも言わず ただ泣き止むまでずっと 頭を撫でてくれた。 すごく安心する、大きい手。