「彼はね、昔私の命を助けてくれたことがあってね…恩人なんだ…」 なんで私、知らない人に昔の話なんてしているんだろう でも止まらなくて…今は誰かに聞いて欲しくて… なにより彼と居ると不思議と安心した 「うん…それで…?」 彼はただ静かに、真剣な表情で私の話を聞いてくれている 「昔ね、川で溺れかけたことあって…そのときに彼が助けてくれたらしいの」 「らしい?」