「私とお前の仲ではないか。“ペル”で構わないよ。」

ペルはテーブルにあった灰皿に火を点けて間もない煙草を押し当てた。

部屋に入るとルギーという少年は胸に手を当て、頭を下げた。

「陛下、ご用とは。」

「例の話だ。お前の母に反対されていると聞いたが…。」


「心配ありません。いざとなれば、私は家族を捨ててでも、陛下のお側に。」


「おいおい、怖い事を言うな。」

ペルは笑い、肩をすくめた。

「“日本王室親衛隊”の期待の星だからといって12のお前に家族を捨てろとまでは言わないさ。」

「でも…必ず母を説得して見せます……!」

「あぁ、頼むよ。」