‐‐‐あの日、私は先輩に告白された。
「彼氏? そんなのいらない。今は友達と遊んだほうがよくない?」
友達に彼氏いないの、とか、恋愛してる、とか聞かれるたび、私はこう答えてた。
「由梨! 行くよっ」
放課後の教室は、まだ結構うるさい。
もう中体連も近いし、部活生は部活に早く行けばいいのに。
カレカノはいちゃいちゃしてるし、友達通しで騒いでる人もいる。
私は部活の道具が詰まったトートを持った。
「あー・・・。今日はちょっと部活遅れるって顧問に伝えといてくれない?」
親友の由梨はおさげを揺らしながら話した。
「何で? 病院?」
「ううん。ちょっとね。彼氏と・・・」
そこまで言ったところで、由梨は教室のドアに目線を移した。
そこには、由梨の彼氏の竜太郎。
「じゃあ。よろしく」
由梨は走っていった。