『家ってどの辺?』

『え…○○だよ』

『近いから、送って行くよ』

『え!悪いからいいよ!』

『本当に近いからいいって。気にしなくて』





送ってくれると言ってくれて。
その頃にはもう、本気で好きだったから、本当に嬉しかった。

相合傘に憧れていた私は、本当にドキドキしていて。

心臓の音、本当に聞こえてないか心配で楽しく帰るどころか、ドキドキのしっぱなし。

まさか、加地くんと相合傘が出来るなんて。
本当に夢みたいなことで。

隣の加地くんを見れば、さりげなく私が濡れないように傘を私の方を中心に傾けていてくれたり、道路側に立ってくれていたりとさりげない優しさが本当にうれしかった。





『杉原って、本当にカッコいいよな』

『えっ、そうかな?』

『常に冷静な目で見ててさ。すげえって思う』

『それを言うなら、加地くんだってそうだよ』

『俺?』

『うん。だって、カッコいいし、成績もいいしスポーツも万能!言うことないじゃない』

『……そっかな』

『そうだよ!』