だめじゃん、俺
困らせちゃいけないって分かってんのに
ゆっくりと
麗那の体を離す
「ごめん…迷惑かけて。
言ってらっしゃい」
「颯太…」
やめて、それ以上は言わないで
今は何を聞いても
自分の不甲斐なさを思わずにはいられない
「信号変わるぞ?急がなきゃ」
無理やり笑って
麗那に手を振る。
いつもなら塾の前まで
しつこいくらいについてくけど
今日はこれ以上
カッコ悪い俺を見せたくない。
きっと麗那も
そんな俺に気づいてる。
「…うん。ばいばい…」
さっきと同じ
困ったように笑って
青信号がチカチカと点滅する歩道を
小走りで去って行った。

