亜季人が去ったあと、 千歌は筆をおろして、 先ほどまで、亜季人がいた隣を眺めながら、 ため息をついた。 「…よりにもよって、アイツか…、はぁ。」 再び筆を取って、 空を見上げた。 「遠い……。」 夏の空は、どこまでも青かった。