ドア開けると、パッと、眩しいくらいの光がさした。


目を細めて開けた景色を見渡すと、

フェンスに寄りかかり、めずらしく水彩絵の具を持って空を見上げる、千歌の姿があった。


「夏季展用?何描いてんの~?」


声をかけると、ちょっとビクッと驚いて、微かに笑う。


「やっ!」


「よっ。アキさん。」


「あっ、空だ…。」


「そっ。楽だからさ~。」