まずは、意識っ、意識させないと!!


いや、意識していただかないと。



女…、女の子らしさって…


…何?



ズビシッ


っと、フル回転中だった頭にチョップされた。


「千歌ぁー、廊下のど真ん中で仁王立ちしてんなよっ!」


貴男の笑顔があった。


「男らしいぞっ!」


…女らしさを考えてるそばから、これ?


「…うっせぇ、とうへんぼくっ。」


これはいつものことなのに、


予想していたことなのに、


自分が意識し始めた途端に

貴男の態度に、苦しくなった。



「じゃな、授業真面目に受けろよ~…。」





ぼーっと歩き去った千歌を、貴男は怪訝そうに見ていた。



「何だぁ?噛みついてこないなんて…、腹いてぇのかな?」