椿山亜季人の苦難日記

志望大学も、九州の同じ県内になったようだし。


千歌は芸大で、亮介は経済学部だけど。

ちなみに俺は関東の理学部で、日和ちゃんは東北の法学部。


ばらばらと、まあ、散らばっていく。

「ほら、そんなことでいちいち喧嘩してないで、亮介は死ぬ気で勉強しろ。千歌ちゃんも美術の先生とマンツーだろう?もうちょっとしかないんだから、

俺のところばっかり来るなってっ!」


あ。

なんか、嫌味っぽくなった、か?


二人は黙って、わずかに目を見開いていた。

驚いているのだろう。


しまった、と思った。

今まで、こんな気持ち隠していたのに。

聞き流してくれ…

「ほら、早く…」

聞き流してくれ…

「アキさん。」

千歌に呼ばれて、ビクッと背が震えた。