椿山亜季人の苦難日記

『聞いてよっっ、アキさーーーーん!!!』


大きな音を立てて開けられた扉からは、案の定、亮介と千歌が入ってきた。


「アキさん!千歌の奴ひどいんだって!!俺の教科書の偉人たち全員に泥棒ヒゲ描きやがったんだ!!!」

半泣きの亮介。

「そんなもん、あんたが私の教科書でパラパラ漫画作ったから、仕返しだ!!」

怒鳴る千歌。


…なんて、低レベルな…。

ここ最近で、少しは成長したかと思ったんだけどな。


それにしても、この二人は平和だなぁ…。



「はいはい、おあいこだから、もう終わりなー。
二人ともその教科書を他人に見られて、恥をかけばいいさ。」


気だるく答えると、

『嫌だーーー!!!』と、叫ぶ二人。

なんだかんだ言って、この二人は仲いいよなぁ。