長めの柔らかそうな黒髪が、顔をおおった。

日和ちゃんは、顔を上げて軽く髪を押さえる。

やわらかい瞳で、遠くをみやる。


―絵画みたいだ…―


前からそう思ってはいたけど、ホントにこの子、可愛い顔してるな。


ぼぉっと見てる俺は、どんな顔をしていたんだろう。

日和ちゃんは、俺に気付いて、プッとふいて笑った。

そこで『クスッ』って笑わない台無し具合いが、この子の良さかなって思うよ…。

「どうしたの?亮介くん。ぼぉっとして」

声をかけられ、隣に座った。

「日和ちゃんにみとれてた!」

ぶっちゃけてしまうと、日和ちゃんはキョトンとして、すぐ何かに気づいたように慌てて言った。


「わわわ私っ、もしかしてぱぱパンツ見えてた!?」

「えっ違う、ちがう!!もっ冗談だよ!!」

「何だぁ、ビックリさせないでよ…。」

「いや、そちらこそ…。」


なんでそうなるんだ…。