椿山亜季人の苦難日記

亮介の意見も、もっともだけど、


「千歌ちゃんは、莫迦じゃない、自分の考えもってる子だから、大丈夫だろ。」


亮介が、小さくつぶやいた。

「でも、絶対、きつい…。」


「うん。だから、今はほっとけ。」

きっと、一人で整理しようとしているはずだから。



日和ちゃんの状況、

彼女が隠していたことへの嫌悪、悲しさ、

そうせざるを得なかった心情、


全部ひっくるめて、向き合おうとしているはず。


すごく、苦しいだろうけど、

手を離したのは、手を借りたくないからだ。


一人で、向き合いたかったからだろう。