「撫子様!」
扉の奥から男の人がやってきた。
「あら、白虎。丁度よかったわ、こちら青龍よ。」
撫子様に紹介されてお互い視線を合わせた。
髪は銀髪で短髪、目はスッと細く瞳の色は橙色をしている。背は高く180センチ程ある男性が立っていた。
白虎は私をみるなり目を見開いて
「青龍の転生神が女とは…珍しいな」
「その分繊細に力を使いこなしますよ。男性よりも」
何だか女という一言にむっとしてトゲのある言葉を言ってしまった。
「ははは‼そうかそうか」
トゲのある言葉を言ったのに笑いだした白虎
「俺の名は白李と申す。青龍気に入ったぞ。よろしく頼むな」
二カッと笑う彼には悪意を感じなかった。そして自分の真の名をすぐに打ち明けてくれるとは思っていなくて狼狽えてしまった。
「あ…私は碧と申します。先ほどは失礼をいたしました。よろしくお願いします」
そんな姿を見て撫子様は微笑んでいた。
「ところで白李、玄武と朱雀はどうされているの?」
撫子様が白李に聞いた。私も同じ役目のものだから早くに会っておきたかった。
「玄武は湖の間で周辺に異常がないか見ていると思います。朱雀は…」
といって不意に表情が暗くなった様に感じた。撫子様も同じように
「そうですか…早く戻ると良いのだけれど…」
聞いてもよい雰囲気か分からず戸惑っていると白李が気がついて
「あぁ、碧。気にしなくて良いぞ!朱雀は少し散歩に出かけているだけなのだから」
と豪快に笑ってくれたが、たぶんそうではないであろう。
と、なんとなく頭が訴えていた。