『あら、お父さんもうここにいたの?』 お母さんが言う。 お父さんは既に売店から戻っていたようだった。 ロビーの椅子で、真弓とお父さんと浩司さんが座っていた。 真弓の泣きはらした顔で無理に笑顔を作っている。 私は真弓から目を反らす‥ だって‥ 浩ちゃんは渡せないって言ったよね‥ 浩ちゃんが私の事を心から愛してくれていない事は解ってる‥ でも、それでもいいの‥ いつかはきっと私を見てくれると信じているから‥ ごめんね‥真弓‥