静かな涙【完】

『…なっ…謝らなくていいよ…謝らないで…』



お願い…―――




謝らないで…――




『…私は…浩司さんとの思い出で十分だよ…だから…謝らないで…』




浩司さんは…



肩を震わせながら声を殺して泣いていた…



ゆっくりと浩司さんの手が私の手を握る…



痛いほど気持ちが伝わって来て…



私は思わず力強く握り返した…




私達は、部員に見つからない様に…




静かに泣いた…



二人で泣いたんだ…




やり場のない気持ちに…



どうしようもない現実に…




ただ、ただ、声を殺して泣いたんだ…―――