静かな涙【完】

こうやっていると…
あの頃を思い出す…



ただ純粋に浩司さんを好きだった、あの時…


告白して、合宿が終わると今度はぎこちなくて…



プールから上がった先輩に照れながらタオルを渡していたんだ…




先輩も照れながら受け取って…



愛しい時間が流れているのに何処かぎこちなくて…



私は思い出しながら少し可笑しくなって…




笑った…




浩司さんは首を傾げながら



「どうした?」




と聞いてきたけど、私は『何もないです』と言って誤魔化した。




今となれば愛しい思い出…




私は、クルッと浩司さんに背中を向けて…



『じゃ…仕事があるので』



と背を向けた…。



今、そんな思い出を思い出していると、しまいには泣いちゃいそうだったから…