陸上恋愛物語

「新山先輩、ちょっといいですか?」




「ん?いいよ。どうした?」


知佳と統牙君と別れて2人きりになった。





先輩に1つ聞きたいことがある。


「先輩は、なぜ陸上を始めたんですか?」




「え?いきなりどうした?」


「ずっと、気になっていたので・・・。」




「俺はな、友達に誘われて、陸上クラブの見学に行ったんだ。
そうしたら、走ってる奴らがみんなかっこよくってさ…」

先輩は、小さく微笑みながら話を続けた。

「俺も、ああやって速く走って、誰かにかっこいいって思ってもらいたいな~って思ったんだ。
馬鹿みたいな話だよな。」

「先輩は、すごくかっこいいですよ。」

小声で呟いた。

「え?」