―――――――――――――――――― 「いちについて よーい ドン」 2年生の先輩がスタートの合図を出す。 それと同時に私と知佳がストップウォッチを押す。 そう。今、100mのタイムを計測しているところだ。 「統牙君、12’11だよ!!」 「まじか、あとちょっとで11秒代なのになっ」 統牙君が爽やかな笑顔を浮かべる。 「がんばれ!」 「おう!!」