「ここだよ、俺んち」 家につくまで石原は 優しく手を握ってくれてた。 「おじゃましまーす…」 聞こえるはずがないと分かっていたけど いちよう挨拶をする 「今、家族もいないから…ってか、見えないのか…」 石原が悲しそうに下を向く。 あたしもつられて悲しい顔になってしまった。 「あ…とりあえず、俺の部屋あがって」 「ぅん、ありがとー…」 私は石原の部屋がある二階に上がった。