ー大学ー
余裕を持って家を出たせいか、大学に早く着きすぎてしまった。
とりあえず式場らしきものが見える方向に歩き出した。
少し先に大勢の人が道の両脇に立ってビラのような物を持っているのが見える。
『うーわ…』
入学前に集まりがあったその時に、話しかけてくれた先輩が言っていた【新入生争奪戦】
その先輩もビラ配りに参加すると言っていた記憶がある。
新入生争奪戦の道を一歩踏み入れた瞬間大勢の先輩から大量のビラが渡された。
「そこの美女!ぜひ野球部のマネに!」
『いや、人の世話とか苦手なんで…』
「じゃあ部員は!?」
『野球できないんで…』
大量のビラと勧誘で疲れ始めていた時、入学前に話しかけてくれた先輩が見つけて声をかけてくれた。
「おー、名前なんやったっけ?」
『上條です』
「ああ、そうそう!ぜひ上條さんもうちの部活入ってな!」
またビラを渡された。
『気が向いたら行きます』
営業スマイルで先輩をかわして式場に向かった。
式場に着いた時には両手には大量積まれたビラ。
とりあえず受付をすませて、近くのベンチに座った。
辺りを見回すと女の子の姿が見えない…。
話しかけれそうな雰囲気の人もいない…。
これはどーしようもない…。
