「うわ~やべ~!俺、こんな盛り上がったの、久々!」
私たちは、セブンの誰ファンだの、どの曲が一番好きだ散々語り合った後、彼は心の底から楽しいといわんばかりの笑顔でそう言った。
私も、きっと、こんな風に笑ってるのだろう。
「私だって久々だよ!」
私も満面の笑みで、素直にそう伝える。
「えっと...名前って...?あ、私は梨本明です。えっと、2組で吹奏楽部!」
まだ自己紹介を終えていなかったことに気づいた私は、遠慮がちにそう尋ねた。
「谷崎新一です。7組で部活は...」
「野球部でしょ!」
「えっなんでわかんの?」
「わかるよ~その髪型にそのスポーツバッグ持ってたらさ!」
私は谷崎くんの頭とスポーツバッグを順番に指さして笑う。
その指の先には野球部強制の坊主頭と、野球部でおそろいのスポーツバッグがあった。
それに気づいた谷崎もつられて笑う。
「ほんとだ。これって俺は野球部ですって言ってるようなもんだな。」