「べ、別に谷崎は関係ないよ。私、純粋にうまくなりたいも...」
「いつも水曜日の三時間目、窓から運動場で体育やってる谷崎くん探してるくせに?」

「えっと、そ、それはあれだよ!!知ってる人がいたら誰だって探したくなるでしょ!っていうか何で知って...」
「さっきだって!」

「え?」

優子は私が反論するのを防ぐように、語尾にかぶせてくる。

一段と優子の声が大きくなったのにびっくりした私は、思わず、間抜けした声を出してしまった。

「さっきだって、」

すこし優しくなった優子の声。

「谷崎くん来てくれて、嬉しかったでしょ?なんとなく目で追っちゃったでしょ?いつもいつも谷崎くんのこと、意識しちゃってるでしょ?」

さっきとは違う、言い聞かせるような優子の優しい口ぶりに心が揺さぶられる。


「...」

「私はここまで。あとは自分で考えな。...素直になりなよ?」


私、谷崎のこと...好き、なの?

...わかんないよ。