【短編】初恋は咲き乱れる花火とともに





「なんで2人で行こって言わないのー!」
「だってー」

優子はさっきから怖い顔で説教してくる。

「だって何よ?」

「だって...別に私、そもそも2人で行きたかった訳じゃないし...

谷崎のこと、そんな風に思ってないし...」

さっきから怒りのオーラを放つ優子に負けて、語尾は小さくなってしまった。

「はぁ、あのねぇ。」

優子は足を組みかえる。

そして頬杖をついた。

「んじゃ聞くけど、なんでいつもいつも帰りにばったり会うの?」

「それはっ」

「たまたまなんて言わせないよ?私、知ってるんだから。

明が部活終わった後、野球部の終わる時間まで自主練してるって。」