それを見た谷崎はほんの一瞬、納得いかなそうな顔をしたもののすぐに笑顔になった。 「おう!頼むわ。あ、梨本の言おうとしてたことって...?」 「あぁ、いいのいいの。」 私は手を左右にブンブン振る。 「ほんとに?」 「ほんとに。」 それを見た谷崎はそ?と言ってからもう一度微笑み、じゃあと教室を出ていった。 去っていく谷崎をなんとなく見つめていた私。その途中でピントが合い、優子と目があった。 「このバカ。」 「いで。」 目の前で今の会話を聞いていた優子に思いっきりデコピンされた。