それを見た優子はにっこり笑った。

「ほら、だったら今日中にちゃんと返事しなよ~。」

私は俯きながらまた、うん、と頷いた。

「おーい梨本!」

するとタイミングを見計らったかのように谷崎の声が聞こえた。

「げほげほっ」

教室がかなり離れている谷崎が私のクラスに来るなんてことは初めてだ。

ちょうどお茶を飲みこんでいた私は、思いっきりむせた。

「梨本ならここでーす!」

咳き込む私をほっといて、優子は勝手に谷崎を呼ぶ。

「あ、いた。」

それに気がついた谷崎はにこっと微笑んでこちらに近づいてきた。