またまた2人、笑い合う。
そして何気なくケータイを開いて、ぱっと目に飛び込んできた時刻を見てびっくりした。

「うわっ一時間もここで立ち話してた!」

「うそ、そんなに?あ、時間、大丈夫だった?」

谷崎は自分が私を引き止めたことを悪いように思ったのか、顔を歪めた。

「全然大丈夫だよ!いつも暇だし。超楽しかったし!」

私がそういうと、彼はもういちど笑顔になる。

その笑顔を見て、なんだか、ほっとした。

「梨本さんって電車通学?」

「うん、そうだよ。あ、梨本でいいよ?私、谷崎って呼ぶから。」

「りょーかい。梨本ね。駅まで送るわ。っていうか通り道だし。
かばん、チャリのカゴに乗せよっか??」

「えっいいの?それじゃあお言葉に甘える!!
ね、部活終わるのって、いつも今日みたいな時間なの?」

「いやっいつもはもうちょい遅いかな。今日はミーティングだけだったから。...ちょうど今くらいに終わる感じ。」

「ふ~んそっか。りょーかい!...あ、でねでね...」